いつかくる「最愛のペットとの別れ」の時のために、知っておきたいこと

人間よりもずいぶんと早い時間軸で生きる動物たち。どんなに大切にしていても、「最期のとき」を避けることはできません。せめて穏やかで幸せな気持ちで逝かせてあげたいものですが、具体的にどうすればいいのでしょうか。動物と意識で交流するアニマルコミュニケーターの大河内りこさんに、ご自身の体験を交えて教えていただきました。

老齢になったペットと暮らすということ

高いところに飛び乗れなくなったり、寝ている時間が長くなったり、長年、生活を共にしてきた我がコの老いを実感している方も多いでしょう。

できていたことが、できなくなる……。そんなシーンを目の当たりにすると、なんだか、淋しくなりますね。

動物たちは、人間よりも数倍速で時間を重ねます。

そんなことは、言われなくったって百も承知! 頭ではね。だけれど、なかなか現実を心が受け容れません。だって、老いの先には、お別れが透けて見えるから。最期までずっと元気なままでと望んでも、現実はそうはいかないことが多いですよね?

大きな病気が見つかって、病院通いが始まるコもいるでしょう。歩けなくなったり、一人で食事や排泄がうまくできなくなって、介助が必要になるコもいるでしょう。

どんどん手がかかるようになってくると、飼い主さんの実生活にも支障が出てきます。そんな中、こんなケースを聞いたことがあります。

「ふらふらと、ぶつかりながら動かれるより、寝たきりのほうが、お世話がしやすい。だから、寝たきりになったときに、やった! と思う自分がいた」
「ずっと寝たきりの大型犬の介護をしていて、心身共に疲れてきた。そろそろ逝ってくれないかな……と思ったことがあった」

こんな飼い主さんの本音に出逢うとき、一方的に、アニマルコミュニケーター、動物愛好家の立場を振りかざして非難をすることはできません。その労力がいかほどかは、実際にそのコに携わっている、飼い主さんにしかわからないから。

「寝たきりにならないようにケアをして!」

そんな理想通りに現実が運べば、誰も悩みません。動物好きだからこそ、自分の中の悪魔な自分を見てしまったときに、落ち込むのでしょう。

だけれど、それは、本当に素直な自分だと思うのです。誰の中にも、天使と悪魔は同じ数だけんでいるものです。

「今、ここ」に一生懸命生きているコたち。

たとえ体は老いて動かなくなったとしても、心まで動かなくなったわけではありませんもの。現状は寝たきりだとしても、アニマルコミュニケーションをすると、芝生を楽しそうに走っているイメージを伝えてくれるコは、とても多いものです。

彼らが伝えてくる「心は元気!」という気持ちを大切にしたいのです。

ですから、本人たち以上に辛く落ち込むのではなく、飼い主さんも、「今日も、元気だね!」と心晴れやかに声掛けをしてあげるのは、いかがでしょうか?

体はどんどん動かなくなってきても心は若いときのまま、これって、わたしたち人間も同じですよね?

気を付けてあげたいと思うのは、今までと同じように飛べると思っていた距離や高さが、心意気とは裏腹に、意外と距離が伸びずに飛べなかったとき。

シニアなりのけが防止策を講じると共に心のケアも大切だと、わたしも13歳半になった愛犬の小雪を見ていて感じます。

ペットとの最後の別れが「幸せなこと」に変わるワーク

そして、いよいよターミナル期に入ったとき。飼い主としてやって何をしてあげられるでしょうか。

実はわたしにも昨年、小雪が死の淵をさまようという出来事が起きました。

小雪の看病をする中で施した様々なワーク。

そのうちの一つを、みなさんとわかち合いたいと思います。ペットちゃんが、もしかして、いよいよ今世を卒業していくタイミングかもと思うときにオススメなワークです。
ペットと暮らせば必ずやってくるお別れ。それを互いに最高に幸せに迎えるための方法です。

まずは、リラックスできる時間と空間を確保してください。

椅子に座る。床に座る。ベッドやソファに横になる。
リラックスできればどんな姿勢でもかまいません。

ペットちゃんは、抱っこしたり、お膝に乗せたり、寝た姿勢でお腹に乗せてもいいでしょう。ハムスターや小鳥などの小さなコは、両手をカップ状にしてその中に入れてあげてもいいですね。

逆に大型犬などは、脇に寄り添って寝たり、飼い主さんが座った姿勢でワンちゃんの体をでてあげるのでもいいでしょう。

落ち着く姿勢が決まったら、気持ちをしずめて、心を静かにします。
ゆったりと呼吸を続けます。
自分のハートと我がコのハートが重なるようなイメージをします。
ハートを共有しているような一体感が味わえます。
そっと優しく愛しい我がコへ話しかけてみてください。

実際に、わたしが小雪へ働きかけたことを、お伝えしますね。

「こゆちゃん、ありがとうね。
こゆちゃんと初めて会ったのは、ペットショップだったよね?
段ボール箱の中にきょうだいたちと一緒にいたね。
あれから13年。
ずっと一緒にいたね。ありがとうね。
マミィは、こゆちゃんのおかげで、
アニマルコミュニケーターになれたんだよね。
こゆちゃんのおかげで、知らなかったことがいっぱい知れたよ。
ありがとね~」

小雪には、たくさんのありがとうを伝えました。

わたしの人生で初めて生活を共にした犬。ただ動物が好きというだけで、全く知識がないまま飼い始めました。転んでは起き上がり、また転んでは一緒に起き上がり……。こうして、彼女がわたしに教えてくれたことは、計り知れません。

小雪がいなければ、今のわたしはありません。

人の人生を変えてしまうほどの魔力を秘めたペットという神の化身。その存在に敬意を払うと共に、深く深く感謝をしました。

続いて、小雪に尋ねました。

「ねぇ、こゆちゃん、こゆちゃんが、楽しかったことって何??」

小雪は、声で伝えるよりも、映像で伝えてきました。

年齢は2、3歳の若い頃。自宅のリビングルームで元気よく走り回っています。子どもたち2人も、まだ小学生と中学生。小雪と一緒に遊んでいる様子が見えました。夫とわたしは、ソファに腰かけて、その光景をながめています。

家族全員が笑顔で楽しそうにしている印象が強く伝わってきました。

「家族みんなで仲良く!」

これが小雪からのメッセージ。わたし自身が今生で向き合うべき課題が、「家族」であることを、さらに後押しするように感じました。

この場面以降は、小雪を主導に小雪の気持ちに乗るような形で感じていきました。

ゴハンの中でも、時々、特別に作った、おいしいゴハンがあったこと。
小さい頃に通っていたシツケ教室では、イヤイヤやっていたことがあったこと。
朝夕の小学生の集団登下校を一緒にしていたのは、気に入っていたこと。
お父さんが休みの日に行く散歩は、ご褒美のように感じていたこと。
じぃじは、いっぱいオヤツをくれるから、ちゃんと言うことを聞かないといけないこと。

いろんなシーンを教えてくれるたびに、「へぇ~、そうなんだね」「そうだったんだね」と、相槌あいづちを打ちます。小雪の記憶が織り成す世界。色とりどりで美しい。

そのワンシーンごとの色を一緒に確認して、一緒に感じて、気持ちを共有していきます。そうしている時間は、意識が体の辛さから離れます。楽しかったこと、うれしかった思い出は、心を穏やかにしてくれます。

いつか必ず訪れる肉体のお別れのとき。我がコが、少しでも楽に、そのときを迎えられたなら。少しでもスムーズに光へと還っていけたなら。これは、飼い主であれば誰しも願うこと。

その願いを具体的に叶える方法。それが、ターミナル期におけるアニマルコミュニケーションです。

魂が抜け出るそのときには、一生の中でいちばん多くの快楽ホルモンが放出されるといいます。それは、動物だって同じこと。

一生で一度だけ与えられたそのチャンスを、最高の幸せとして迎えるために、飼い主としてやってあげられること。

最後のプレゼントを贈ってあげませんか? お別れが幸せに変わります。

  

seishun.jp

 

PROFILE
大河内りこ

アニマルコミュニケーションを科学するコミュニケーター育成のプロフェッショナル「DearMum」代表。日本催眠学会会員。
1968年生まれ。愛知淑徳大学を卒業後、結婚し渡豪。20年間の専業主婦を経た後、アニマルコミュニケーターへ転身。現在は、アニマルコミュニケーター養成講座、個人セッションなど幅広く活動している。
飼い主とペットの関係は「合わせ鏡」と語る著者のもとへはペットたちの問題行動に悩む方、お空に還ったコの声を聴きたいという方、またペットロスなど多くの相談が寄せられる。

その子(ペット)はあなたに出会うためにやってきた。

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  • 作者:大河内 りこ
  • 発売日: 2018/12/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)