「talk」「speak」「say」「tell」の違いをひと言で説明できますか?

シンプルな言葉なのに、使い分けの難しい英単語があります。その代表格ともいえるのが、「talk」「speak」「say」「tell」など”話す、言う”を表す言葉。違いをなんとなくわかっているようでも、いざ説明するとなると難しいものです。英語にまつわるベストセラーの著書を多く持つ清水建二さんに教えていただきました。

イラストレーション・すずきひろし

「talk」「speak」「tell」…どうやって使い分ける?

日常会話の定番としてよく使う「話す、言う」を表す英単語には、「talk」「speak」「say」「tell」の4つがあります。

それぞれどのように使い分ければよいのでしょうか?

まず、talk は話す内容にはあまり関心がなく、話す行為そのものに焦点が当てられる語で、基本的には話をする相手を必要とします。話す内容に関心がないので、People will talk.(人の口に戸は立てられない)のように自動詞としてよく使われます。

学校の先生が授業中におしゃべりをしている生徒に「おしゃべりをやめなさい」と咎める表現が、Stop talking.です。話す内容について言及したい時は、He talked about politics in Japan. (彼は日本の政治について話をした)のように言います。

speak は、talk とは異なり、基本的にはきちんとした内容について、声を出して述べることで、必ずしも話す相手がいなくてもかまいません。

Do you speak English?(英語を話しますか)やI can’t speak Japanese. (日本語は話せません)のように、言語能力を示したり、She spoke for 30 minutes at the conference.(彼女は会議で30 分話をした)のように、自分の意見を述べるのもspeak です。

ただし、Could you speak more slowly?(もっとゆっくり話していただけますか)のように、自動詞として単に「言葉を発する」という意味もあります。

日本語では写真を撮る際、シャッターを切る人の決まり文句は「はい、チーズ」ですが、これは英語では、Say cheese.(チーズと言って)と言います。

そう言われたら、Cheese(チーズ)と応じます。お酒をついでいる時も「どこまでいれたらいいか言ってください」なら、Say when. ですが、言われた方は、Whenと返します。

このように、say の目的語になるのは実際に発せられた言葉です。相手の言葉をそのままの形で伝える直接話法では、Yoko said to me, “I love you.”(「愛してる」とヨーコは私に言った)です。

say の目的語になるのは、it / so / that /something / anything / nothing / words などの語に限定されます。

Yoko said,“ I am happy.”(「私は幸せです」とヨーコは言った)を間接話法で表せば、Yoko said that she was(=is)happy. となります。

tell は、tell a story(話をする)、tell a lie(嘘をつく)、tell the truth(真実を言う)、tell a joke(冗談を言う)のように、伝える内容に焦点が当てられます。直接話法で相手の言った内容を自分の言葉で伝える間接話法では、Yoko told me that she loves me. (ヨーコは私を愛していると言った)です。

お店で不良品を交換したいときは「trade」?「exchange」?

次に、「交換する」という言葉。これは「barter」「trade」「exchange」「swap」の4つの英単語で表すことができます。

barter は古フランス語で「だます・不正取引をする」という意味のbarater に由来します。必要なものを得るために、自分で作ったり育てた物と他人が持っている物を直接交換する、つまり、仲介者を入れずに、「物々交換する」ことです。物に限らずサービスの交換にも使うことができます。

trade は、tread a path(道を踏む)が語源で、他国に足を運んで取り引きをする、つまり「貿易(する)」という意味の他に、単に「商売をする」や「取引をする」という意味もあります。

trading は、自分の所有物を売って利益を得ることから「商い・営業」を指します。また、trade seats(席を交換する)のように、trade が単に「交換する」という意味では、金銭のやり取りを伴いません。スポーツで選手の移籍や交換や株の売買もtrade です。trader は「貿易業者・商船」です。

exchange は「ex(外で)+ change(変える)」が語源で、所有物を手放して別の物に代えることが原義です。

海外の観光地に行けば街のあちこちで、EXCHANGE(両替)の看板を目にしますが、exchange は経済の意味に限らず、単なる相互間の交換について広く用いられます。交換される物が同程度の価値を持っていなくても問題ありません。

不要な物や満足できない物を捨てて、より良い物に交換することを含意します。店で買ったものを家に帰って開けてみたら、傷があることがわかった場合は、店に戻って、Can you exchange this?(これ、交換してもらえますか?)と言えばいいわけです。

swap は、お互いが欲しい物を手に入れるために交換するという意味では、barter と同じですが、barter が正式な場面で使われるのに対して、swap は、くだけた場面で使われます。

 

PROFILE
清水建二

東京都浅草生まれ。上智大学文学部英文学科卒業後、埼玉県立浦和高校などの高校で英語教師を務める。
基礎から上級まで、わかりやすくユニークな教え方に定評があり、生徒たちからは「シミケン」の愛称で親しまれている。シリーズ累計90万部突破の『英単語の語源図鑑』(かんき出版共著)など著書多数。