若手の“自己アピール”は逆効果!会社で応援される人になる5つの方法

若手のうちほど、会社で役に立つ人間だ認めてもらいたいがために過剰な自己アピールに走り、最終的に孤立してしまうことがあります。会社でイキイキと働いていくには、応援される存在になることが重要です。(株)サードステージコンサルティング代表取締役の森憲一氏に、若手社員が会社で応援される自分になるための方法について解説してもらいました。

自己アピールよりも応援されることを目指す

会社説明会のときや入社間もない頃は、会社の疑問や課題をドンドン言ってくださいと、教育担当者や先輩社員から言われることがあります。しかし、これはトラップです。

たしかに会社組織では、自由な学生社会と違って成果を出し続けなければなりません。しかも現代では、新型コロナウイルスの感染拡大によって外出自粛という制限も加わり、成果を出すのが困難になりつつあります。

その中で、性格が合わない人や少し苦手に感じる人と善い関係を築き、会社の目標を追い続ける必要があります。

つまり長い会社生活の中で、いかにして仲間と善い関係を保てるかが最も重要です。にもかかわらず、激しく自己アピールしたり、やみくもに意見を押しつけたりすると、チームを乱してしまいかねません。

結論として、会社でイキイキと楽しく働き続ける鍵は、他者から応援されることです。他者から応援されることは、他者の力を集めることでもあり、仕事で成果を出し続けるための最大の武器になります。

したがって、会社では自己アピールするよりも、応援される自分を目指すようにしましょう。

会社で応援される自分になる5つの方法

「なんであの人ばかり応援されるのだろうか?」と思ってしまうこともあるでしょう。会社で応援される自分になる方法を5つ解説していきます。

方法1.挨拶を大量に配布する

挨拶の量ほど単純でわかりやすい印象向上方法はありません。というのも、挨拶は相手の存在を認識していることを示すのと同じです。存在を認められると誰しも嬉しく感じます。

特に「ありがとう」という挨拶は、「存在証明」を超えて「存在肯定」を与える言葉です。言われたほうは自分を大切にしてくれると感じ、あなたの周りの気分が良くなります。

もちろん、挨拶だけで印象が決まるわけではないし、そこまで高く評価してくれない人もいます。

しかし、挨拶が少なかったり、相手に届かない控えめな声だったりすると、あなたの印象は100%低下してしまいます。なぜなら、存在を無視されたと感じてしまうリスクが高まるからです。

感謝は質も大切だけれど、それ以上に量が肝だということを心得ておきましょう。

方法2.応援してくれる相手の気持ちを考える

仕事のデキる人の共通点は、たくさんの人から可愛がられて応援されていることです。応援される理由は、彼らが嬉しそうに応じるからです。

応援してくれる相手の気持ちを常に考えていて、応援される立場として応援してくれる相手の喜びを作り出そうとしています。

たとえば、ある日の11時半にA先輩がN君に声をかけます。

A先輩:「ちょっと早いけどランチ行く?」
N君:「はい、行きます!」

同じ日の13時半に、今度はB先輩がN君に声をかけます。

B先輩:「ちょっと遅いけど、今日ランチ食った?」
N君:「大丈夫です!行きます!」

2回ランチを食べたN君に対して、可愛いやつだと感じない先輩は少ないでしょう。

もちろん、2回のランチに付き合えといっているわけではありません。自分なりに相手の喜びを作り出す方法を考えればよいのです。

方法3.他者が求める自分の魅力を知る

自分の魅力は、自分が思っているのと違っていることがほとんどです。「就活で自己分析をしたからわかっているよ!」と思う方もいるかもしれませんが、実はかなりずれている場合が多いです。

では、自分の魅力を誤認するとどうなってしまうのでしょうか?

役者の場合を考えるとよくわかります。役者が思っている自分の魅力と、観客が感じている役者の魅力が異なっていると、その役者は観客にとって魅力的ではなくなってしまいます。

役者を起用する監督や演出家の立場からしても、役者に期待する魅力を本人がわかっていないと、期待通りに役が演じられず関係者たちを失望させることになりかねません。

したがって、応援される自分になるためには、他者が求める自分の魅力を知ることが重要です。そのためには、自分で自分の魅力を考えるのではなく、親しい仲間に自分の魅力を教えてもらうとよいでしょう。

方法4.「独立」ではなく「自立」する

重要なプロジェクトを上司から任されたとしましょう。当然、誰しもが与えられたミッションに対して一生懸命に動きまくるはずです。

しかし、上司に報告や相談をせずに自分だけでプロジェクトを推進すると、上司は褒めることも協力することもできません。応援される要素がないことがわかりますよね。

確かに自分だけで考えて行動することは自立しているように思えるかもしれません。しかし、それは自立ではなく独立といいます。

では、本当の自立とは何でしょうか。自立とは他者に依存できる能力を身に付けることです。さまざまな人たちの力を借りて、たくさんの応援者と一緒に物事を推し進めていくことです。

独立的な思考で物事を進めていくと、応援者は現れません。最終的には孤独か独裁になってしまいます。応援してもらう存在になるには、独立ではなく自立を目指しましょう。

方法5.自分が何も知らないことを示す

「なんでもやります」「教えて下さい」

できる人は、いくつになっても目上の人にこのような姿勢を示すことが多いです。

「あいつは自分が知らないことを良く知っているな」と周囲に感じさせるほうが、何か教えてあげたいと思ってもらえます。つまり、応援してもらいやすくなるのです。

今から約2,500年前に生きた古代ギリシャの哲学者ソクラテスは、このような言葉を残しています。

「無知の知(最も賢いものは、自分が知らないということを知っている。)」

知らないという姿勢を示すことが応援される人になるための秘訣です。

応援されるだけでなく応援する姿勢も大事

ドイツの偉大な哲学者にヘーゲルという人がいます。彼は、人が自由に生きるためには3つの「承認」が必要だと言っていました。

  1. 自己の承認
  2. 他者の承認
  3. 他者からの承認

つまり、自分が応援してもらうことばかり考えていても、自由に生きられないということです。

2012年に92歳で亡くなった森光子さんという大女優がいます。1920年に京都で生まれた彼女は14歳で映画デビュー。下積み時代を経て1961年に、林芙美子原作『放浪記』の主役に抜擢され、スター女優への道を歩み始めました。

この舞台は大ヒットし、公演回数は前人未到の2,017回を記録。彼女は2005年に文化勲章を受章し、2009年には女優として初の国民栄誉賞を獲得しました。

彼女はこれほどの大女優にもかかわらず、若い裏方さん一人ひとりにも常に繊細な心遣いをされる方だったそうです。取材に来た方々にはお弁当が用意され、若いスタッフにも「一緒に食べましょう」と声をかけていたといいます。

森光子さんは、一緒に仕事をする仲間や一緒に舞台をつくる仲間に対して、常に感謝と応援の気持ちを持ち続けたことで、舞台の上で自由にイキイキと長い年月に亘って応援され続けたのではないでしょうか。

成果を生み出すためには会社で応援されることが重要だとお伝えしましたが、そのためには応援する姿勢も必要だということがわかります。

このことは職業が異なる方にとっても通用する話です。

同じ目的に向かう組織で常に仲間を応援し、仲間から応援される関係があれば、誰しもが困難な時代をイキイキと働き続けられるのではないでしょうか。

 

PROFILE
森 憲一

社会人のための仕事の学校「ネクサミ白熱勉強会」主催。(株)サードステージコンサルティング代表取締役。(社)日本経営イノベーション協会代表理事。明治大学サービス創新研究所副所長。これまで1000社以上の会社と関わり、のべ3万人以上の経営者や従業員のサポートをし続けて来た、熱血教育コンサルタント。2012年からは、社会人のための仕事の学校「ドラマネ勉強会」を主催、代表講師も務め、業種もまったく異なる会社の従業員同士が学び合い、脅威の成果を生み出す仕組みを確立。経営者からは、「従業員の可能性を絶対に諦めない先生」として定評がある。明治大学、東北芸術工科大学、東洋大学などでも講義を担当。著書に『ドラマティック☆マネジメント』(かんき出版)がある。

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  • 作者:森 憲一
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