図解だからよくわかる!「see」「look」「watch」…“見る”の使い分け方

英単語はただ丸暗記するより、同類のものを並べて図で理解するほうが、細かいニュアンスまで覚えられるものです。たとえば、“見る”を表す単語に「see」「look」「watch」などがありますが、どんな風に使い分けられるのでしょうか。英語にまつわるベストセラーの著書を多く持つ清水建二さんに教えていただきました。

イラストレーション・すずきひろし

「たまたま目に入った」のか、「意識的に見ている」のか

日常会話でよく使う英単語として、前回の記事では「話す、言う」を表す「talk」「speak」「say」「tell」などの使い分け方を紹介しました。今回は「見る」を示す「see」「look」「watch」「glance」などについてお伝えします。

まず、seeは「見よう」という意識のあるなしにかかわらず、対象となるモノを視覚として脳内に取り込むことで、物理的なモノが自然と「見える」だけでなく内容的なモノを見る、つまり、何かを「確かめる」「調べる」「理解する」などの意味もあります。

相手の言ったことに対して、「なるほど!」とうなずく時には、I see. ですし、「私の言っていることがわかりますか」なら、Do you see what I mean? です

look は、ある特定のモノを見ようと意識しながら、注意して一定の方向へ視線を向けることで、主に、静止しているモノを見る場合に使う動詞です。

If you look carefully, you'll see Mt. Fuji in the distance.(注意して見れば、遠くに富士山が見えます)という一文に see と look の違いが端的に示されています

watchは、空を飛んでいるカラスや電線に止まっているカラスのように、動いているモノや動く可能性のあるモノに、注意を集中させて長い間、見たり観察したりすることを表す動詞です。

鳥の行動や生態を観察する人たちが「バードウォッチャー(birdwatchers)」です。

Look at my bag.(私のバッグを見て)は単に相手の視線を私のバッグに向けて、と言っているの対して、Watch my bag. だと泥棒に持って行かれないように「バッグを見てて」の意味になります。

このように、watch は、動きのあるモノを目を追って見ることなので、「2時間ビデオを見る(watch a video for two hours)」や「夜遅くまでテレビを見る(watch TV till late at night)」のように使います。

「映画を見る」は映画館で見るなら、大きな画面が自然と目に映る感じなので、see a movie と言うのに対して、ビデオで映画を見るなら watch a movie と言うのが自然です。

glance は、何か気になることがあったり、急いでいる時などに「ちらっと見る」、新聞などに「ざっと目を通す」ことです。

catch a glimpse of 〜も「ちらっと見る」ですが、glance が意識的に見るのに対して、こちらは偶然に見るという点で異なります。 

「close」「shut」…どう違うのか?

次に、「閉まる・閉じる」を意味する「close」「shut」「slam」「lock」について紹介します。

 

 

closeは、太陽が沈むにつれて朝顔の花がつぼむように、閉める動作を開始してから終了するまでの過程に焦点が当てられます。

「夜になると花は閉じる」なら、Flowers close at night. です。

徐々にゆっくりとした動きを暗示させますので、「ドアを静かに閉める」なら close the door quietly、「窓を少し閉める」なら close the window a little です。

恋人に誕生日のプレゼントをあげる時には、Close your eyes - I've got a surprise for you.(目を閉じて、びっくりさせるものがあるから)と言ってから差し出します。

催眠術師が被験者にかける言葉も Close your eyes.(目を閉じてください)、歯科医が患者さんに言う「口を閉じてください」も Close your mouth. です。

また、お店がcloseするというとき、営業を終了することになるので、All the shops close at 8 o'clock.なら「全ての店は8時に閉まります」で、CLOSED と表示があったら、「閉店中」です。

一方、shutは、閉める動作を開始してから閉め終わる動作までの一連の行為を一瞬のうちに終えてしまうことに焦点が当てられます。ですから、閉める行為を途中でやめて、shut the window a little.(ちょっと窓を閉めてください)と言うことはできません。

徐々にゆっくりとした動きを暗示させるcloseが二重母音であるのに対して、一瞬の動きを表すshutが短母音であるのに着目すると両者の違いがうなずけます。

shutは一瞬の行為なので、目の前に急に虫が飛んできて反射的に目をつぶるのが、I shut my eyes. というのが自然ですし、逆に「ドアを静かに閉める」のはshut the door quietlyというのも不自然でしょう。Close your mouth.(口を閉じてください)に対して、Shut your mouth!Shut up! だと「黙りなさい!」です

またslam は、I hear a car door slam.(車のドアがバタンと閉まる音が聞こえた)のように、日本語の「ピシャリと閉める」とか「バタンと閉める」に相当する語で、特に腹を立てながら大きな音を出して強く閉めることを暗示させます。

lock は、Don't forget to lock the door.(忘れずにドアのカギを閉めてくださいね)のように、単にカギをかけて閉めることを意味します。 

 

seishun.jp

 

PROFILE
清水建二

東京都浅草生まれ。上智大学文学部英文学科卒業後、埼玉県立浦和高校などの高校で英語教師を務める。
基礎から上級まで、わかりやすくユニークな教え方に定評があり、生徒たちからは「シミケン」の愛称で親しまれている。シリーズ累計90万部突破の『英単語の語源図鑑』(かんき出版共著)など著書多数。