50代以降も「求められる人」とそうでない人は、何が違うのか?

人生が長くなり、「いつまで働けるか」が気になる人は多いでしょう。何歳になっても“求められる人”でいつづけられれば、不安に苛まれることはなくなります。その分岐点となりそうな50代に向けて、中谷彰宏さんに極意を伺いました。

意外と見られている「待っている時の姿勢」

会社の中でも早期退職希望者を募るということが起きています。少なくとも60歳までいけると思っていたのに、50歳で早期希望退職が始まるという会社もあります。

そうなると、ハローワークや求人サイトで新たな仕事を探すことになるでしょう。

ハローワークの紹介係の人が、「見た瞬間に、紹介した会社に通るか通らないかわかる。『この人は通らない』と思う人は、紹介するのもイヤだ」と言っていました。

それがわかるのは、相談者が目の前に来た時ではなく、待っている時の姿勢です。目の前の相談者の後ろに、銀行のように待てる椅子があるのです。

そこで両足を広げてふんぞり返って、スマホを見たりしている時点でムリです。

紹介係の人は次の順番のボタンを押して対応するのですが、通らないと思う相談者の番号は押したがらないそうです。目の前にいる相談者を長引かせて、わざと時間調整をして避けるのです。

ハローワークだけでなく、カウンターの後ろが待合室になっているところは多いのです。その1つは銀行です。お客様は銀行の窓口に行くと、みんな礼儀正しいのです。お金のために嫌われたらいけないと考えているからです。

その半面、椅子に座って待つ間は見られていないと思って油断しています。そこで判断されるのです。見られていないと思っているところでしていることが、その人のマナーです

なかには、「きちんとしようと思えばいくらでもできる」と言う人がいます。しかし、「特に気をつけていることはありません」というのがマナーであって、気をつけてしていることはムリしているのでマナーではありません。

それが一番わかりやすいのが、待っている時の姿勢なのです。

行列に並んだり、レストランで料理が出てくるまでの間とか、順番待ちをする状況はどこにでもあります。待っている時の姿勢は常に見られています。

一生懸命仕事をしている人は、必ず誰かが見てくれているのです。自分は見られていないと思っていても、そんなことは決してありません。見られている時だけ仕事をしようとする人は、「見られていない」と言うのです。

人間は、自分が見ている方向から見られていることを「見られている」と言います。これは実際の視野の10分の1の範囲です。実際は背中の側からも見られています。見られていることに気がついていない時こそ、見られているのです

評価されない仕事もコツコツやる人になろう

面接で、よく「今している仕事は、いまいちパッとしないんですよね」と言う人がいます。そういう人を雇う人はいません。雇いたいのは、「いまいちパッとしない仕事」を楽しめる人です

「ちょっとした失敗でクビになりました」と言う人もいます。「おいおい、君はその失敗を『ちょっとした』と言っているかもしれないけど……」と言いたくなります。

失敗を「ちょっとした」と言っている時点で、失敗の重要さがわかっていないのです。その人は失敗から学んでいません。

雇う側としては、失敗から学ばないことが怖いのです。評価されない仕事、収入にならない仕事、感謝もされない仕事を楽しんでできる人が、一緒に仕事をしたいなと思える人になるのです

「売れるかどうか」より「いかに面白がれるか」が大事

仕事や企画を持ちかけた時に、「売れますかね」「儲かりますかね」と言う人がいます。その人の基準は、最初に「儲かる」というところに来ています。

その仕事を面白がるという発想がないのです。そういう人は、一緒に仕事をしたいと思われません。つまらないことを、いかに面白がれるかです。

私は出版社から出された企画を自分で面白がっています。パッと出されたお題に対して、大喜利のように考えていくのです。そのほうが自分でお題を出すよりも発想が広がります。

自分でお題を出すと、自分の最初の発想の中で予定調和のものになってしまう危険性があるのです。私は「お題を客席からいただいている」という感覚で、「そのタイトルなら、こうかな」と考えるのです。

結果としてタイトルが変われば、そこから化学反応を起こせばいいだけです。仕事は、受注産業です。与えられたお題を、いかに自分が面白がるかです。「面白がる」の対極にあるのが、「売れるか」「儲かるか」なのです

 

PROFILE
中谷彰宏
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、(株)中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのベストセラー、ロングセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。