プロに相談? 雑誌を買う? 初心者が必ずハマる「投資の落とし穴」

投資相談

「今の貯金だけでは老後が不安」「社会保障費がかさんで手取りがなかなか増えない…」。このような理由で投資を始める方が最近増えていますが、投資の世界は完全なる「自己責任」の世界。高い授業料を払ってお金と時間をムダにしないために、投資を始めるときの基本的な心構えと、「情報の扱い方」を学んでいきましょう。

「専門家の経済予測」で何がわかるか

初心者がいざ株式投資を始めようと思っても、どんな銘柄を選んでいいかわかりません。「テクニカル分析」(株価などのチャートをもとに分析・判断する方法)や「ファンダメンタル分析」(財務状況などから分析・判断する方法)の知識も付け焼き刃で、何をどう読んでいいのか迷ってしまいます。

そんなとき、目に飛び込むのが「投資雑誌」。投資雑誌には名の知れたトレーダーや評論家、アナリスト、証券会社のアドバイザーなどが、今はどの銘柄が狙い目かを教えてくれます。投資のプロがいうのだから、彼らが推奨する銘柄を買うのが一番確実だろう。そう思っている人も多いはず。

投資関連の著作を何冊も出している投資アドバイザーのO氏は、「専門家の話を鵜呑みにするのは危険きわまりない」 と警鐘を鳴らしています。

「考えてみてください。サブプライム問題で各国の金融機関が揺れ始めたときに、日経平均株価がバブル後最安値を更新するほど急落するなどといった専門家は皆無でした。つまり、プロでさえ相場の先行きは読めないということです。ですから、いかに人気のある専門家といえども、その言葉を鵜呑みにしてしまうのは危ないといわざるをえません」

投資雑誌や経済新聞の新年号は、専門家がその年の株価や為替相場の予測をするのが恒例になっています。専門的知識を駆使し、過去の相場の動きを分析しながら語られる予測は、素人にはケチのつけようがありません。

「なるほど、トレンドはそうなっているのか。それならば……」 と今年の投資戦略に思いを巡らす。でも、あとからその予測の精度を調べてみると、よく見積もっても的中率は半分にも満たない程度。的中率が半分というのは、コインを投げて表か、裏かの確率です。どのような情報を重視するかは投資家それぞれの判断ですが、専門家の信頼度というのは、この程度のものだということを知っておくのは重要なことです。

プロのアドバイスを「聞く」「聞かない」を超えた第三の利用法

資産運用を始めると、投資のプロフェッショナルと称する人たちと接する機会が多くなります。たとえば、証券会社の営業マン。株式のプロだからと、彼らが推奨する銘柄をつい買ってしまいますが、投資アドバイザーのO氏にいわせれば、「それは無謀だ」ということになります。

「彼らは株式のプロではなく、株や投資信託などの金融商品を売るプロ。手数料を稼ぐために頻繁に売り買いを指示しますし、そもそも推奨する銘柄は会社の事情によって決められます。けっして個人投資家のほうを向いているわけではないですから、ご注意を」

銀行も個人投資家の資産運用に積極的に力を入れており、投資相談窓口などを設けてアドバイス業務を行っています。これについてもO氏は疑問を投げかけます。

まず、銀行が販売する金融商品は手数料が高い。そのため高い利回りを上げなければ、利益を得られません。それに、彼らが本当に個人投資家のために商品選択をしているかというと、それは疑わしいといいます。ある経済雑誌の覆面座談会で、証券や銀行の金融商品販売担当者が「販売手数料の高い順に商品を勧めている」 という発言をしています。

要するに、顧客の利益よりも自分たちの営業成績のほうが優先順位が上というわけです。営業担当者の言葉を真に受けないほうがよさそうです。

では、「ファイナンシャルプランナー」(FP)はどうでしょうか。金融機関の勤務経験がある投資コンサルタントは、「FPは玉石混交」 だといいます。

本来、FPは、将来的なマネー計画を立てるプロで、投資のプロではありません。さらに、証券会社や銀行、保険会社のFPは、当然のことながら自社の商品を優先して勧めてきます。では、独立系のFPはどうかというと、独立系とは言いながら特定の金融機関と密接な関係にある者が多く、その場合は金融機関系FPとたいした違いはありません。

顧客の立場で客観的なアドバイスをするFPがもっとも信頼できる存在ですが、そのなかでも適切なライフ・プランを作成し、投資のアドバイスまで行えるほどの知識と経験を持ったFPは本当に数えるほどです。

しかし、ここまで紹介した専門家たちは専門的な知識と経験、そして情報を持っていることはたしか。それは個人投資家にとっても、けっしてムダなものではないでしょう。専門家が提供する予測や分析を参考情報として受け入れつつ、最終的な投資判断は自分が行わなければいけない―そのことをよく覚えておいてください。

そのためには、資産運用について勉強し、自分の投資基準を確立していくことが大切なのはいうまでもありません。

投資は「単純な連想ゲーム」では成功しない

投資で成功する人には「旺盛な好奇心」があるとよくいわれます。さまざまなことに関心を寄せると、アンテナを張るようになる。アンテナには欲しいと思っていた情報が次々に引っかかってくる。

欲しい情報が手に入れば、それだけ成功との距離は縮まっていくことでしょう。投資家として成功しているIさんも、「好奇心こそ利益のタネだ」 といいます。

「投資は連想ゲーム。とくに株式投資は、風が吹けば桶屋が儲かる式に、ある現象が起こると決まって値上がりする銘柄がある。それをいち早く連想できた者が、もっとも大きな利益を手にすることができるんだ。その連想力を鍛えるには、常日頃からいろいろなことに興味を持って、どうしてそうなるのか調べることが重要。世の中に好奇心を持っていなくちゃ、投資の世界で成功することはできないね」

連想買いの初歩的な例としては、気象庁が暖冬予想を出すと暖房機器メーカーの株価が下がったり、皇室のご懐妊報道があるとベビー用品メーカーの株価が上がるといったものがあります。

しかし、このような連想は誰もが思いつくもので、発表を見聞きしてから株価を見ても、すでに上昇していることが大半です。儲けたいなら、誰も思いつくことができない連想をできるかどうかがカギ。

いずれにしても、好奇心旺盛で常に情報のアンテナを張っている人のほうが、連想のタネを見つけやすいことはたしかでしょう。

 

PROFILE
マル秘情報取材班

人の知らないおいしい情報を日夜追い求める、好奇心いっぱいのジャーナリスト集団。
あらゆる業界に通じた幅広い人脈と、キレ味するどい取材力で、世の裏側に隠された事実を引き出すことを得意としている。