「出現率1%のガチャ」100回引いて1回も当たらない確率36%の謎

「数字に拒否反応を起こす」「難しい数式がわからない」「計算したくない!」、そんな人は多いと思います。でも、子どもから大人まで大人気の「数学お兄さん」が、身近にあるちょっとした疑問をネタに、数学の本当の魅力をわかりやすく解説してくれました。

「アイテム出現率1%」の本当の意味とは?

オンラインゲームをする人にはお馴染みの「ガチャ」。ガチャとは、スマホゲームやソーシャルゲームのアイテム課金方法の通称で、アイテムの抽選くじを引くこと。

この「ガチャ」の出現率の表記は景品表示法のガイドラインで定められていますが、「『出現率1%』って書いてあるけど、これって本当?」という声をよく聞きます。

実は、ショッピングセンターなどにある、硬貨を入れてまわして景品を取り出す「ガチャガチャ」とは仕組みが異なります。この場合、当選確率1%と表記されているときは100回まわすと必ず1回は当たります。

しかし、オンラインゲームのガチャの場合、実は何回引いても分母が変わらず、常に同じ確率で推移するという計算方式。そのため「アイテム出現率1%」と表記されていても、必ずしも100回引けば1回当たるというわけではないのです。

「『アイテム出現率1%』って書いてあったら、普通に考えれば100回課金したら当たるはず! 詐欺じゃないか!!」と言いたくなりますよね。

では、「当選確率1%」のガチャを100回引いたときに当たりが出る確率を考えていきましょう。

100回引いても常に同じ確率

オンラインゲームのガチャは常に出現率1%で、何回やってもその確率は変わりません。出現率1%のガチャを100回やって1回も当たらない確率は以下の通りです。

計算1

この通り、100回引いて1回も当たらない確率は約36%でした。次に100回引いて、1回は当たる確率はどのくらいでしょうか。

計算2

計算の結果、1回は当たる確率は約64%になります。つまり100回引いて1回も当たらない確率は約36%、1回は当たる確率は約64%なのです。

「出現率1%」と聞いて私たちが想像するのは、前述した「100個のうち1個に当たりが入っているガチャガチャ」のようなもの。この場合、引けば引くほど「1/100…1/99…1/98」と確率が上がっていき、100回引けば必ず当たりが出ます。

「出現率1%のガチャ」が意外に当たらない理由には、実はこういった数学的カラクリがあったのです。

半分の人は69回引けば当たる

ちなみに、このガチャで1回は当たる確率が50%を超えるタイミングは、何回を引いたときでしょうか。

計算3

つまり、69回ガチャを引けば、50%を超える確率で当たるという計算になります。

「出現率が1%」で1回も当たらない人が3割以上もいるのに対して、1回目で運良く出る人や100回引いて2回、3回と当たる人もいる……。

こればっかりは、自力ではどうしようもありませんよね。

 

PROFILE
横山明日希

math channel代表、日本お笑い数学協会副会長。2012年、早稲田大学大学院修士課程単位取得(理学修士)。数学応用数理専攻。大学在学中から、数学の楽しさを世の中に伝えるために「数学のお兄さん」として活動を開始し、これまでに全国約200か所以上で講演やイベントを実施。2017年、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)主催のサイエンスアゴラにおいてサイエンスアゴラ賞を受賞。著書に『笑う数学』(KADOKAWA)、『算数脳をつくる かずそろえ計算カードパズル』(幻冬舎)などがある。